いま、レコードの売り上げが凄い!待望のレコード市場、完全復活か?そして次にわたしが期待するものとは・・・

StockSnapによるPixabayからの画像

 

最近の朝日新聞の「文化・文芸」の紙面(2021年2月12日)によると「昨年のレコードの売り上げが10年前の10倍超」になったとのこと。

10数年前からレコード盤が見直されているという話題は何度もメディアでも囁かれていたし、身近なところでも実感していましたが、新聞記事ほどの大きな動きになっているとは思いも寄りませんでした。そして、この傾向はわが日本国内だけではなく、米国に於いても同様とのことで更なる驚きです。

「ついにレコード市場、完全復活か?」とワクワク感と期待を抱かせる内容として今回の記事を読むことができました。

でも待てよ!「流行とは気紛れで、一過性のもの」というのが以前からのわたしの流行に対する認識でしたので、アナログレコードの中古市場が活気があって注目されていると聞いても、所詮は中古市場で一時的なものと考えていた時期が確かにあったのです。

ところが、現状は新しいレコードプレーヤーが多くのメーカーから発売され、ミュージック媒体もCD、レコード盤が新譜として同時に発売されるなど活況を帯び本格化してきています。今度だけは一時的なブームではなく、レコード市場の完全復活と考えるようになってきました。

わたし自身のことを言えば、いち早くレコードプレーヤーを買い、段ボール箱に入れてあったレコード盤を物置から引っ張り出して、視聴環境だけは準備万端に整えて、ロック系やニューミュージック系の懐かしい曲をレコード盤で聴いています。数十年ぶりに聴くレコードはキズやホコリで雑音を発生しますが、その温もりある音色は捨て難いものがあります。


Jiradet InrungruangによるPixabayからの画像

良いものは良い、優れたものはいつの時代も愛されて変わらぬ魅力があるものです。
ですから、できれば時代の流れに逆行してでもレコード盤やレコードプレーヤーを使い続けたいたいというのが正直なところだったのです(チョッとオーバーか?)。

そこには自分だけは単なるブームに流されないぞという「へそ曲がり的根性」と「レコード盤に対する愛着」があったのだと思います。ですから、レコードが再評価されだしたここ十年ほどはそんな気持ちとスタンスでレコードに接してきました。


思い起こせば、1980年代初めごろのあのレコードからCDへ移り変わったという事件(当時のわたしには事件でした)は、無念の思いでイッパイでしたが、明らかに時代は音のクリアーさを求めていたのです。
つまり流れは完全にレコードではなくCDだったのです。あの時代、誰一人抗うことのできない圧倒的な潮流を感じていたはずです。いや、誰もがそれを切望していたのです。

しかしながら、自分としてはレコード盤もCDも共存できたらというのが本音でした。それはフトコロ事情やお家スペースなどを考えると無理なことでしたから、当時としてはCDを選ばざるを得なかったのです。

中でも時代の潮流に逆らえなかった決定的要因は、レコードメーカーやオーディオメーカーがレコード関連の製品(レコード盤、レコードプレーヤー、レコード針など)の生産を年々縮小し、最終的には生産中止になったことです。これにより私も含めレコードファンは選択の余地は完全になくなり、その後は不本意ながらもCDライフを歩まざるを得なかった訳です。



RanyaによるPixabayからの画像



これまで述べてきたような現象(事態)はレコードに限ったことではなく、実は私たちの身近で頻繁に起きています。
思い起こせば、そうした歴史は何度となく繰り返されてきたのです。

例えばパソコンやビデオなどの変遷を思い出してみてください。古いWindowsOSやMacOSをずっと使いたくても、OSのアップグレードやセキュリティ面、ソフトの互換性などなどを理由に、また古くはVHS,βの問題やVHSからDVDへ移行したときも「新しいDVDの方が画像が美しく、扱いやすい」と各メーカーはアピールし、わたしたちは新たな技術の方へと誘導されていったのです。従来のものは否定され、新たなものが肯定されるという弱肉強食的原理が動物の世界だけでなく、こんなところでも成立しているのですネ。

それは業界からすれば、「優れたもの、便利なものを世に出す」という大義のもと、経済活動を行っただけのことなのでしょうが、私たち消費者からすればようやく操作に慣れてきたところを、スゴロクゲームの如くいきなり「フリダシ」に戻されるのとまったく同じ心境ですから、ある意味迷惑な話です。新たに画期的な商品(製品)が世に出るということは、こうしたメリット、デメリットの二面性を孕んでいるということなのですネ。


ところで、今回の新聞記事はこうした時代の流れに逆行するかの印象で、わたしとしては大歓迎で朗報でした。
常々考えていたことですが、新しい技術は、旧技術を真っ向否定するのではなく、できる限り共存の道筋も残してほしいと思っています。レコードとCDの場合では音楽を聞くとうい目的は同じでも、両者は技術的にはまったく異なった技術ですから競合はないはずです。
使い手の好みや用途に応じて、消費者がどちらかを選択すれば良い訳で、どちらの製品も一般市場で売っているという共存の環境があれば、企業は技術の無駄遣いにもならず、私たち顧客にとってはヴァリエーションが増え充実した音楽環境を得ることができ、無駄な出費を抑えることにもつながります。それこそ今の時代に相応しい省エネ・資源の無駄遣い抑制につながるのではないでしょうか。



カセットプレーヤー
   カセットプレーヤー MasterTuxによるPixabayからの画像


更には、当該の新聞記事にはカセットテープもまた注目されていると言及してありました。
この際、メーカーさんには奮発していただき、カセットデッキ(メタル対応の)、オープンリールの再製造・再販売なども検討いただければと個人的には期待しています。
過去のベストセラー商品のいくつかが、ある一人の人間の他愛もない発想から生まれたように。

これは単なる個人の戯言ではなく、真面目な要望提案と考えていただければ幸いです。
アンケートを取るなどして事前の潜在需要調査などしてみても興味深いし、参考になるのではないでしょうか。

何度も言うようですが、これからの時代は、只々新しいものを追い求め技術の使い捨てをする時代ではないと思います。今ある技術や製品をより良く改善・改良し維持してゆくことが何より求められると思います。立ち止まることもまた必要なのです。
「SDGs」が注目されている昨今、SDGsのSはSustainableのSつまり「持続可能な」の意ですから、わたしの提案は今日的で理にかなっていると思います。

レコードプレーヤー、カセットデッキそしてオープンリールなどはインテリアとしても映えるし、レコード盤が回転している光景は何より絵になります。


ターンテーブル
Shevon LimによるPixabayからの画像

今日、そのデザイン性や機能性で魅力ある製品を世に出し続けているアップルなんかがカセットデッキを手掛けてくれたら、その意外性とともに「カッコイイ!」と思うのですが・・・
かつて停滞気味だった世界の音楽市場をiTunesiPodで大々的に蘇らせたように。

最後までお読みいただきありがとうございました。


From Editor

本文中にありましたように、時代の流れに逆らって旧型のパソコンを使い続けることは可能だろうかと真面目に考えました。例えば、パソコンをインターネットに繋がずスタンドアローンでWord文書作成程度を細々と利用するのはどうでしょう。これだったら、USBメモリーなどをパソコン間で使い回さない限りコンピュータウィルスもハッキングの心配もいりません。何より、ウイルスソフトを買わなくてすむのは助かります。

ですが「そんなパソコンの利用の仕方を実際にしている人って、果たしているんでしょうか?」なんて考えていると、その昔、富士通の「OASYS(オアシス)」、NECの「文豪」、シャープの「書院」などのワープロ専用機を当時のビジネスマンのほとんどが使っていた時代があったな〜と懐かしく思い出しました。
9.11の米国同時多発テロも3.11の東日本大震災も、そして現在の新型コロナもなかったはるか昔の、のどかな時代でした、あの頃は。

実は、ワープロ専用機の達人、必ずしもパソコン(ワード)に強いとは言えなかったようです。(当時、企業内でパソコン講師をしたわたしの経験から)



コメント

< これまでによく読まれている記事 >