2022年10月8日土曜日

多才ジャズマン ビリー・テイラーを知っていますか?

Kirill AverianovによるPixabayからの画像

前回のブログで、音楽聴き放題サービスのサブスクリプション(以後サブスク)のお話をしましたが、今回はわたしが加入している「Apple Music」で出会った(見つけた)ひとりの才能豊かで魅力あるアーチストについてご紹介します。

サブスクの音楽聴き放題は、音楽の一部分が聴ける「試聴」と違い、音楽全曲あるいはアルバム全曲が聴けるのが最大の魅力で、兎角偏りがちな音楽嗜好の打開に役立つツールだと私自身評価しています。

今回、そんな聴き放題で発見したアーチストが、ジャズピアニストのビリー・テイラーです。

1950年代から活躍していたとのことですが、日本に紹介されたのは、だいぶ後になってからのようです。

正直、今までジャズ関連の書籍、ラジオやテレビなどの放送、ジャズ喫茶でも、一度も聞いたことのない名前でした。

Jose Antonio AlbaによるPixabayからの画像

当時は錚々たるジャズジャイアンツの影に隠れて目立たない存在だったようですが、彼のトリオでの演奏を聴くと実に軽快で心地よいピアノを聴かせてくれます。
ライブ盤も多く、その内容の充実感から巷ではある程度の人気を博し、知名度はそこそこあったように推察できます。


彼はジャズピアニストでありながら作曲家でもあったようです。
でも、ここまでの才能ならジャズ界にはこれまでに多くの精鋭たちがいた訳で、ビリー・テーラーが特別だったのは、大学の教授としての一面を持ちジャズの教育・教宣活動にも情熱を注ぎ、ジャズの普及に貢献したことでしょう。アーチストとしては異色な存在だったのです。

そのためか、彼の演奏スタイルは極めて正攻法です。
とは言っても、演奏は単調ではありません。
時代に逆らうことなくこの時代のスイング感も十分楽しめるし、それでいてメロディーも大切にしているところが何とも好感が持てます。

わたし自身が若い頃だったら、彼のこうした演奏をどう評価しただろうと思うこともありますが、肩肘張らない彼の演奏スタイルは今の自分にはピッタリな気がします。


ドラムスのブラシ奏法によるビートの刻みと、それに呼応するかのように展開する彼の流麗なピアノが実に心地よく感じます。

João Thiago Bustamante de AndradeによるPixabayからの画像


時に、彼のピアノは軽すぎるという批評もあるようですが、それも彼の魅力です。


お気に入りのアルバムをあげるとすれば、やはり初期の作品になるでしょう。
例えば「One for Fun」や[Billy Taylor Trio,Vol.1/Vol.2]などは最もビリー・テーラーらしくてお薦めです。

アルバム「One for Fun」

アルバム「Billy Taylor Trio ,V1/V2」


なかでも1959年のアトランティック盤の「One for Fun」は人気盤で定評があり、聴いてみると「なるほど!」と頷ける名演揃いのアルバムです。

その他では1969年の「Sleeping Bee」もBilly Taylor Trioらしさを感じ取れるアルバムではないかと個人的には思っています。

アルバム「Sleeping Bee」


サブスクの「Apple Music」では数多くの彼のアルバムを聴くことができますが、残念なことに彼のアルバムをCDで入手することは、ほんの一部を除いて*  現在は困難なようです。
復刻盤が出ることを期待するしかありません。

2022年5月29日日曜日

音楽は所有かレンタルか?

 音楽は「購入する」から「レンタルする」
時代になってしまうのか?

Dimitris VetsikasによるPixabayからの画像



思い起こすに、自分はこれまで音楽にどれだけお金を掛けてきたのだろう。

古くはアナログレコードの時代から、CD、Blu-rayに至るまで。


でも、世の中には途轍もない人が大勢いて、そのような人から較べたらわたしのコレクションなど高が知れているというもの。
それでも平均的レベルよりは上位ではないかと自己満足しているが・・・

興味のない人からすれば、そんなことどうでもよいこと。
何の自慢にもならないことと思いつつ・・・それでも話を続けよう。


わたしは幼少のころからもの集めは好きだった。
その対象は多種多様でメンコ、ビー玉、昆虫、切手などなど。

その後、音楽を聴くようになってからは、もっぱらLPレコードへと傾倒していった。
ジャンルはクラシック、ジャズが主で、ポップス系も多少(もちろん、嘗てのグループサウンズやニューミュージックなどもEPレコードで買った)。


SanderSmitによるPixabayからの画像


レコードの良いところはレコード盤に針を置いた後に拡がるサウンドの内容もさることながら、わたしのもう一つの楽しみはジャケットだった。

30センチ四方のレコードジャケットを構成する写真、絵画、デザイン作品は確固とした芸術作品であり、ミュージシャンのアーチストとしてのもうひとつのメッセージだとわたしは思っている。


しかしながら、時代とともに30センチのレコードは12センチのCDへと縮小され、自ずとジャケット自体もそれに見合った大きさになってしまったことは、個人的には惜しむべきことだった。インテリアの一部を担っていたLPジャケットの代役を果たすには、CDでは物足りない。
こうした変化は業界としてはもちろんのこと、自分の中でもかなりのエポックメイキングだった。

Ri ButovによるPixabayからの画像


マスコミや音楽雑誌等ではレコード派とCD派に分かれ、両者の比較論が活発に交わされたのは懐かしい思い出だが、所謂「デジタルアナログ論争」はまだまだ記憶に新しい出来事だ。それでも最後は、消えゆく運命のレコードを惜しみつつ、やがて、わたしの収集はCDへと傾いてゆくのであった。


CDが世に出たのは、わたしの記憶では1982年、1983年辺りと記憶しているから、
早いものでCDの時代は既に40年ほど続いていることになる。
当時未熟だったわたしは、CDの技術こそ最終到達点ではないかとさえ思ったものだった。




しかしながら、音楽を楽しむ手段は音楽データを「ダウンロード」購入して聴くという選択肢が加わり、更に今は「ストリーミング」という技術を使った「定額制音楽配信サービス」へと人々の関心は移行しつつあり、まさにこの領域は激戦区だ。

その中でCDの占める割合は年々減少傾向にあり、その実態はCDの売り上げ統計数字を見るまでもなく、身近な場所でわたしたちは肌で感じることができる筈だ。

それは一時ショッピングエリアには必ずあった大型CDチェーン店や個人のCDショップがそろって閉店あるいは縮小されていった現実で。

その要因はネットショップの台頭によるところも大きいだろうが、それ以上に大きいのが「定額制音楽配信サービス」の存在だと個人的には思っている。


この現象はどういうことかと言えば、端的に言えば「音楽を所有して楽しむ」時代から「音楽をレンタルで楽しむ」時代に入ったということだ。

わたしのように「コレクション」というか「所有するという意識」はもう時代遅れの考え方なのかもしれない。
ましてや、物としてのCDは保管のスペースが必要だから都会の生活には馴染まないのは確かだ。

ITの業界を考えても、主要ソフトウェア(マイクロソフトのワード、エクセルなど)がサブスクリプションという販売形態を始めたように、わたしたちの身の回りでは徐々にではあるが「所有しないという意識」は確実に浸透してきているのだ。


Stefan KellerによるPixabayからの画像


今は、CDを買うことも、「定額制音楽配信サービス」に加入することも自由にできるありがたい時代だ。
しかし、この先どうなって行くかは分からない。

CDを買うという選択肢は恐らく無くならないだろうが、価格が極端に高額になる、あるいは欲しいCDが品薄になるなど、手に入りにくくなる懸念は考えられる。
よって、実質購入できないに等しい事態にならないとも限らない。


スタジアムや競技場などで起こるウェーブがひとりの力ではどうしようもないように、音楽の波、もっと大きな意味では、社会の動きもまた個人の力ではコントロールできない。
どんなに抗っても、大きな波に呑み込まれてしまうのは時間の問題だろう。

従来通り音楽を所有という形態で楽しむのか、レンタルで楽しむのかの決断はそう簡単にはくだせない。
でも、近い将来、頭の切り替えを迫られるときがくると覚悟しつつ、チョッと不納得な部分は感じつつも、今は両方の「良いとこ取り」をしていこう。

日々気持ちは穏やかではないが・・・


最後までお読みいただきありがとうございました。

from JDA PROJECT 2022.05


追記)

上記のように、所有派の筆者ですが、実は最近になって「定額制音楽配信サービス」の一つである「Apple Music」に加入した。

アップルの5GB無料ストレージサービスが容量的に限界になったため、50GBの有料サービスへのアップグレードを検討する最中、Apple Oneというセットメニューへステップアップしてしまった次第。
このメニューにはクライドストレージサービスの他にApple Music聴き放題という「定額制音楽配信サービス」が付いていることを知りチョッと欲をかいた次第。

無料お試し期間1ケ月を経て、現在3ケ月突入。

近々、この「Apple Music」について実際に加入して判ったことなどをお知らせする予定です。