「Windows8は2012年にリリースへ ― バルマー氏が名言」
2011年5月24日のMSNトピックスにこんな記事が載っていた。
Windowsといえば、Windows7が2009年7月にリリースされたばかり。
動作が遅いことで悪評だったWindows Vistaに代わり、満を持してリリースされたWindows7が
僅か3年で交代とは・・・
これまでのWindowsの沿革をみると、Windows XPを除き、確かにWindowsの各OSは短命だったが、そうした過去の既成事実を慣例化されては、ユーザーとしては堪り兼ねる。
企業である以上慈善活動ではないのだから、一定のサイクルでの新製品投入や
製品のバージョンアップ(アップグレード)はやむを得ないとしても、3年弱というのは頂けない。
「優れた製品を長く使っていただく」が、もの作り企業の最大のポリシーであって欲しい。
かつてのWindows VistaやWindows Meのような半ば欠陥商品を改めるために、新たな製品を投入するということならまだ納得がいく。
ところが、今回のリリース発表はどう見ても上記ポリシー違反としか思えない。
Windows7はマイクロソフトの製品群の中で珍しく当初から評判が良かった訳で、
「諸問題の改善措置としてWindows8投入」では理由としては説得力に欠ける。
上記記事内容からは、時勢に対応した低消費電力、新タブレットPCなどの技術搭載を掲げ、
エコ時代に順応を大義名分に、Windows8リリースの必要性と正当性を説いていた。
(更に、「ユーザーインターフェイスの一新」という改善点もあったが、この件に関しては別の機会にする。)
また、最近のネットに蔓延するコンピュータ・ウィルスに対するセキュリティ対策も当然その中に含まれてのことだと思う。
しかし、理由はそれだけではないと思う。
昨今のアップル、グーグル、フェイスブックなどインターネット・クラウド・ビジネスの隆盛に対する焦りが、背後に見え隠れしてならない。
これまで同社はWindowsというOSやマイクロソフト・オフィースというビジネスソフトのバージョンアップを繰り返すことで、桁外れの業績を上げてきた。
今回、方針として出されたWindows8のリリースが、同社としては出遅れてたインターネット・クラウド・ビジネスの巻返し対抗策の一環ならまだしも、
単なる安易な売り上げ拡大策として選択したのなら、それは大きな間違いだと思う。
仮にそうだとしたら、あまりにユーザーをバカにした行為ではないか。
「マイクロソフトはユーザーのことを何だと思っているのか」という最低レベルの疑問さえ叩き付けたくなってくる。
いまは企業も個人も懐の中は厳しい時代である。
これまでのように頻繁にPCを買い替えたり、OSのバージョンアップを繰り返すことは、
ユーザーにとって現実問題として難しい状況である。
個人もさることながら、企業・団体組織におけるIT関連の設備投資は、これまでのように順調にはいかないだろう。
システムの入れ替えは、単なるコスト面だけではなく、手間暇の問題でも容易なことではないのだから。
以上のことは、個人ユーザーとしての立場と組織内での一担当者としての立場の両方から発した、現場の切実な声として同社は受け止めてほしい。
IT業界の中心的存在である「マイクロソフト」なら、私ごときが今更指摘するまでもなく、
当然認識している問題だと思うが、それでも敢えて念を押しておきたい。
昨今の原発の問題でも、ほぼ2か月半が経過し、
幾つもの深刻な問題が新事実として今明らかになってきたように、
「原発の専門家だから・・・」「国の然るべき機関の責任者だから・・・」という私たちの彼らへの過重な買い被り(誤った信頼)が、大きな過ちだったことを考えると、もはや、無言ではいられない。
「灯台下暗し」という諺があるように、
あまりに基本的なこと、単純なこと、誰でも知っていると思いがちなことを、専門家は逆に見落とすことがある。
それだからこそ、結果的に無意味でも、余計なことだとしても、私たちは何度でも、叫び続けなければいけないのだと思う。
例えが適切だったかどうか判らないが、
当該の「マイクロソフト」には進むべき路を誤って欲しくないという個人的な思いがある。
その意味からも訴え続けなければいけないと思っている。
物申す姿勢はこれからも崩さないつもりだ。
Windows8は時期尚早、Windows7はまだまだ使えるOS。
そして、Windows7がWindowsXPのような熟成されたOSになることを最後に期待したい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<参考資料>
Windows XP :2001年11月16日発売~2008年6月30日出荷終了
プレインストール版、ダウングレード権など含め2010年10月22日最終販売終了
Windows Vista :2006年11月30日(ボリュームライセンス開始)
2007年1月30日発売~
2009年4月開発終了
このブログを検索
カテゴリー
- 007 (1)
- 0VERTURE (1)
- 403Error (1)
- AI (1)
- Apple Music (2)
- Apple One (1)
- ATM (1)
- Ayrton Senna (1)
- Billy Taylor Trio (1)
- Bluetooth (1)
- Cafe (1)
- CPU (1)
- Criminal Minds (1)
- CSI (1)
- F1 (2)
- ICT (1)
- iPod (1)
- iTunes (1)
- Jazz (1)
- Mac (1)
- NHK (1)
- NHK交響楽団 (1)
- N響事件 (1)
- OASYS(オアシス) (1)
- PC-TIPS (3)
- PC-コラム (16)
- PCトラブル対応 (2)
- WordPress (2)
- WOWOW (1)
- Z世代 (1)
- アイルトン・セナ (1)
- アナログレコード (2)
- アラフォー世代 (1)
- アラン・ドロン (1)
- アルザス=ロレーヌ地方 (1)
- アルフォンス・ドーデ (1)
- イ・ムジチ合奏団 (1)
- イーヴォ・ポゴレリチ (1)
- イタリア (1)
- イツァック・パールマン (1)
- イヤホーン (1)
- ヴィヴァルディ (1)
- ウェーブ (1)
- エッセンシャルワーカー (1)
- エラーメッセージ (1)
- オープンリール (1)
- オスカー・シンドラー (1)
- カセットデッキ (1)
- カフェ (1)
- ガロ (1)
- キタムラ (1)
- クラウディオ・アバド (2)
- クラシック音楽 (1)
- クリミナル・マインド (1)
- ゲーリー・ムーア (1)
- コラム (11)
- サーカス (1)
- サテン (1)
- サブスク (1)
- サンタナ (1)
- ジャケ買い (1)
- ジャズ喫茶 (1)
- ジョアンナ・シムカス (1)
- ショーン・コネリー (1)
- ショパン (1)
- ショパンコンクール (2)
- シリコングリス (1)
- スクリーンミュージック (1)
- スタンダードナンバー (1)
- ストリーミング (1)
- スピルバーグ (1)
- スポーツ (4)
- スポーツジャーナリスト (1)
- セルフレジ (1)
- ダウンロード (1)
- チャーミングセール (1)
- デジタル (1)
- ニーノ・ロータ (1)
- ノマドワーカー (1)
- ハイファイセット (1)
- バキュームカー (1)
- パサージュ (1)
- パソコントラブル (1)
- ハマトラ (1)
- パンダプレート (1)
- ビリー・テーラー (1)
- プーシキン美術館 (1)
- フォール・ボヤール (1)
- フクゾー (1)
- プラグイン (1)
- ブラボー (1)
- ベートーヴェン (1)
- ヘッドホーン (1)
- ほのぼのストーリー (4)
- ホリゾント (1)
- マイノリティー (1)
- マウリッツハイス美術館 (1)
- マルタ・アルゲリッチ (2)
- みなとみらいホール (1)
- ミハマ (1)
- モータースポーツ (1)
- リストラ (1)
- リチャード・ワイアンズ・トリオ (1)
- ルネ・クレマン監督 (1)
- レコードプレーヤー (2)
- ワープロ専用機 (1)
- 伊勢ブラ (1)
- 井上陽水 (1)
- 運命 (1)
- 映画 (10)
- 奄美 (1)
- 横浜元町 (1)
- 温暖化 (1)
- 音楽 (39)
- 価値観、ナレーション (1)
- 過疎化 (1)
- 海老彰子 (1)
- 絵画 (6)
- 学生街の喫茶店 (1)
- 希望退職 (1)
- 吉田拓郎 (1)
- 喫茶店 (1)
- 金融ビッグバン (1)
- 月曜物語 (1)
- 肩たたき (1)
- 固定金利 (1)
- 護送船団方式 (1)
- 紅白歌合戦 (1)
- 荒井由美 (1)
- 高度経済成長 (1)
- 骨伝導 (1)
- 今宮純 (1)
- 昆虫 (1)
- 最後の授業 (1)
- 雑談 (4)
- 三世代 (1)
- 四季 (1)
- 視聴率 (1)
- 自転車泥棒 (1)
- 社会 (9)
- 手数料 (1)
- 受信料値下げ (1)
- 秋刀魚 (1)
- 書院 (1)
- 書評 (5)
- 小室等 (1)
- 小澤征爾 (1)
- 昭和 (2)
- 松本隆 (1)
- 上野精養軒 (1)
- 新型コロナウィルス (1)
- 新書 (1)
- 深夜放送 (1)
- 真珠の耳飾りの少女 (1)
- 震災関連 (6)
- 人生の分かれ道 (1)
- 人生観 (1)
- 図書館 (1)
- 製品レビュー (1)
- 泉谷しげる (1)
- 窓際族 (1)
- 退職代行会社 (1)
- 黛敏郎 (1)
- 地球温暖化 (1)
- 長寿番組 (1)
- 定額制音楽配信サービス (1)
- 提言・提案 (17)
- 鉄道員 (1)
- 東京都美術館 (1)
- 独自性 (1)
- 南佳孝 (1)
- 日記 (6)
- 馬車道 (1)
- 不二家 (1)
- 普仏戦争 (1)
- 文学 (1)
- 文豪 (1)
- 変動金利 (1)
- 片岡義男 (1)
- 野沢那智 (1)
- 有隣堂 (1)
- 来生えつこ (1)
- 旅行 (2)
このサイトにはプロモーションが含まれている場合があります。
マイ サイト LAULOA
このサイトが目指すのは・・・
コロナ禍の影響がまだまだ収まらない中、ロシアによるウクライナ侵攻やトルコ地震そして地球温暖化による気候変動など、わたしたちの周りは暗い話題ばかりです。
このサイトではできるだけ明るい話題、心温まる話題を採り上げるよう心がけます。
とは言うものの、ちょっぴり手厳しい指摘も混ぜながら
このサイトではできるだけ明るい話題、心温まる話題を採り上げるよう心がけます。
とは言うものの、ちょっぴり手厳しい指摘も混ぜながら
< これまでによく読まれている記事 >
-
そう、そのアニメーションとの出合いは何気なくかけたテレビからだった。 日本テレビ系で深夜放送されていた「ハートカクテル」である。イラストレーターの「わたせせいぞう」氏によるもので、一話3分程のスキット風の短編で、どこか切ないけど心温まるラブストーリー集だった。初めてみたストーリ...
-
今日(2013年5月21日)の朝日新聞の文化面に「著作権者の行方がわからない本や映画」という記事が載っていた。この記事によると著作権者が行方不明の作品などはデジタル化に際し、大きな壁になっていて、その数は膨大な数にのぼるという。そしていま、その対策の検討が活発化してきているという...
-
ヴィヴァルディの「四季」と言えば「イ・ムジチ」、「イ・ムジチ」と言えば「四季」と言われるほどこの両者の結びつきは長くて強い。そんなイ・ムジチ合奏団のコンサートに先日行ってきた。 2013年10月20日 、会場は横浜みなとみらいホールである。 今回のコンサートのチラシ ...
-
今年の9月19日から開催された「田中一村 展」も昨日の12月1日が最終日でした。 マスコミ等の報道をみると、連日盛況だったようです。 それもそのはず、展示会開催期間中にもNHKをはじめテレビ等でも田中一村に関する番組が急遽、複数も組まれるという反響ぶりだったのですから。 展示会の...
-
今年の夏は本当に暑かった。記録尽くめの夏だったようだが、記録はドジャースの大谷君だけで充分だ。 Gerd Altmann による Pixabay からの画像 そう!思い返すだけで暑さが戻ってきそうでゾッとするが、そんな夏にチョッとした懐かしく微笑ましい出来事があったので紹介しよう...
0 件のコメント:
コメントを投稿