名曲紹介、こんな名曲がこのアルバムに・・・ :Bob James ボブ・ジェイムズ 「Orpheus」
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| u_ozhkrzut0xによるPixabayからの画像 |
今回採り上げる曲は、1980年代に全盛だったフージョン系のミュージシャンのひとり「ボブ・ジェイムズ」の「Orpheus」という曲です。「Orpheus」と言えば、あのギリシャ神話に登場する悲劇の主人公(詩人、音楽家)というのが、私のなかでは何よりも印象深く記憶に残るキャラクターです。
1988年にリリースされたボブ・ジェイムスのリーダー・アルバム『Ivory Coast(アイヴォリー・コースト)』の5曲目に収録されているスムーズ・ジャズ/フュージョン系ナンバーです。
8分32秒ほどの非常に長い曲ですが、すべての面で洗練された名曲というのは、「決して長い」と感じさせません。
当該のアルバム『Ivory Coast(アイヴォリー・コースト)』も全体的にみて、メロディーの良さとファンクのテイストを感じさせる名盤なのですが、私のお気に入りは断然、今回紹介する曲「Orpheus」です。
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| ボブ・ジェイムスのアルバム『Ivory Coast(アイヴォリー・コースト)』 |
今時は珍しい凝ったアレンジのナンバー「Orpheus」オルフェウス(オルペウス)は、私のような音楽素人が聴くとバラエティーに富んだ、贅沢な演奏に聴こえます。ところが、裏事情を知ると実にシンプルな、ある意味省エネの演奏形態だったそうです。つまり、生の楽器(アコースティック)で多くの演奏家が関与しているように一見すると感じる訳ですが、舞台裏はボブ・ジェイムスを主に、数人の演奏家が参加しているだけで、あれだけのドラマチックで哀愁を帯びた作品に仕上げている訳です。ある意味実験的な試みだったようです。
そして私がこの曲で一番感じるのがドラマ性です。冒頭でも申し上げたようにギリシャ神話のオルフェウスの悲劇が8分超のなかに凝縮されているからです。
少ない演奏家で、これだけのインパクトある演奏ができるのは、それは「エレクトロニック」の成せる技と言えます。デジタルシンセサイザーや多重録音、そしてプログラミングの導入など、80年代から始まった他分野の新技術を、音楽の世界にいち早く導入したボブ・ジェイムスならではの功績と言えるでしょう。しかし、忘れてはならないのは、透明感溢れる彼のアコースティックなピアノの美しい響きもそこに融合されているということです。なので、曲全体が決して機械的にならずに、親しみを感じるのだと思います。
80年代のフージョン音楽は都会の洗練されたイメージと甘い香りが、最大と魅力だったと思います。そして、このボブ・ジェイムスらが演奏する「Orpheus」は、遥か昔のギリシャ神話が現代の煌びやかなアーバンシティを背景に、縦横無尽に展開されているような光景を、私はいつも思い浮かべながら聴いています。
彼のベストアルバム類をみても、この曲は残念ながら収録されていないようですが、間違いなく傑作です。
最後に、蛇足ではありますが、ギリシャ神話の「Orpheus」のストーリーを簡単に紹介しておきましょう。
神話のあらすじ(AIによる概要)
◇オルフェウスの妻エウリュディケが毒蛇に噛まれて命を落としたとき、悲しみに暮れたオルフェウスは、彼女を取り戻すために死者の眠る冥界へ降りることを決意します。
◇彼が竪琴を奏で、哀切な歌声を響かせると、冥界の番犬ケルベロスや王ハーデース(ハデス)の心までもが動き、オルフェウスは妻を地上へ連れ帰る許しを得ることができます。
◇ハーデースは「地上に完全に抜け出るまで、決して後ろを振り返ってはならない」という条件をオルフェウスに課します。
◇ ところが、あと一歩で地上という光が見える寸前、不安に駆られたオルフェウスは後ろを振り返ってしまったため、妻は再び冥界へと吸い込まれ、二度と地上に戻ることはありませんでした。
以上がオルフェウスの悲劇の一端なのですが、このように物語やことわざの中に「教訓」のようなものが含まれているものは、私は特に大好きで心惹かれます。人類の果てしない歴史の中で、語り継がれてきた物語や教えには現代にはマッチしないものがあるかも知れません。それでも普遍的な真理は、そのように受け継がれてきた物の中に必ず存在すると私は信じています。 そんなことを考えつつ音楽を聴くのも、これまた音楽鑑賞の楽しみの一つと思っています。



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