2013年6月20日木曜日

また、また新コーナー!「How's everything? COFFEE BREAK」 まえがき

まえがき

オオインコアナナスを育ててから、もう何年になるだろうか。これまで1年にひとつしか目を出さなかった苞が、今年は4つも同時に見ることができ、とても賑やかだ。これから苞の間から咲き出すであろう黄色い花は短命だが鮮紅色の苞に鮮やかなコントラストを作り出してくれる。
一方、2回の冬を越したハイビスカスは小さいながらもしっかりとした紅色の花を咲かせてくれた。葉の間を遠慮がちに咲いているその姿が何とも健気である。猛暑を前に我が家のベランダはいつになく活気づいている。


ところで、最近皆さんはCDショップへ行っただろうか。そこでまず気がつくのは来客が少なく以前のような活況がないこと。そして驚かされるのは映画のBlu-RayやDVDなどの扱われ方である。
ワゴンに並べられたこうした商品は、バナナの叩売りのごとく極端な廉価で売られているからだ。その中にはかつての名画名作が含まれており、当時の栄光は見る影もない有様で、なんとも悲しい光景を目にすることになる。我々顧客にとって、値段が安いことにこしたことはないが、ここまで低価格で売られていると、落ちぶれた名優や挫折したアスリートを見ているようでなんとも耐え難く、複雑な心境にさせられる。
音楽CDとて映像メディアほどではないにしても、傾向としては同じである。

しかし、それ以上に悲惨なのはそもそもそうしたメディアを扱うショップ自体がなくなってしまう現実ではないかと思う。定期的に通っていたHMVが数年前、横浜のビブレから撤退し、この夏、TOWER RECORDSの2店舗もクローズするという。わたしの身の回りでも確実にこうした現象が起こっているのである。言うまでもなくネットショッピングの台頭による影響なのだろうが、それにしてもそのテンポの速さに圧倒されるばかりである。一顧客としてもとても寂しい現実だが、経営者側はじめ店舗スタッフの心境を察するとその落胆ぶりはわたしなどの比ではないだろう。

アナログがデジタルに変わり、CDやDVDなどのメディア媒体を店頭で販売するという昔ながらの方法がiTunesに代表されるネットからのダウンロードという形態にとって代ろうとしている。そのお蔭で、具体的な例を挙げるまでもなく、私たちのミュージックライフはあらゆる点で格段に便利になった。私自身もその恩恵を大いに享受している一員であるが、その現象を100%無条件に喜べないという複雑な心境にあることもまた真実である。

わたしが何より懸念するのは、音楽や映像のコンテンツが「使い捨て」にされていかないかということである。確かに音楽はある意味消耗品なのかもしれない。日々多くの作品が生まれ販売されているが、それと同じくらい忘れ去られて行く作品もまた多いということである。
確かにデジタルという技術の進歩によって、音楽や映像のコンテンツは無劣化状態で永久に保持が可能になったのかもしれないが、それを扱う我々人間が新しいものへの執着から、昔から名盤、名作と呼ばれてきた貴重な作品群の価値を味わうこともなく、疎かにしては技術の進歩もまったくの意味をなさないのである。

かつて、音楽が塩化ビニールを主材とするレコードという媒体に記録し販売されていた時代があった。それがCDというコンパクトなディスクにとって代った時も、人々は新たなものへの反発から音楽の将来を憂いたものだったが、今わたしたちの周辺で起きている変革は、ある意味その時代のものとは比較にならないほどのスケールで拡がりつつある。これまでLPレコードのジャケット写真や小さいながらもCDのジャケット写真を手掛かりに確認できたコンテンツが、これからはパソコンや携帯プレーヤーの画面を通さないと認識できないという時代がやってくるのかもしれない。

そのような時代に名作、名盤、名曲を大切にし愛着を持てと叫んだところで、所詮は無理な話であろう。人間は身近にあり、目に見えるものには関心や愛情を注げても、遠くにあるものや直接には目に見えないものに対しては愛着は薄れ、やがては忘れ去ってしまうのが常である。例えが適切かどうかわからないが、お菓子の世界ではその商品がいくらベストセラーであっても、テレビ等でコマーシャルを繰り返さないとやがては忘れ去られ、売り上げも激減してしまうという。

音楽をはじめ芸術作品がそうならないためにも、地道な情宣活動が必要ではないかと思う。
本来なら、テレビやラジオなどの放送業界やレコード業界をはじめ、アマゾンなどのネット販売業界、末端の小売り業界などが協力し合い音楽番組などを提供することが理想形と考える。売上げを伸ばすという短絡的な目的ではなく、あくまでも多くの名曲を幅広い人たちに知ってもらう長期的な啓蒙活動としての役割を最優先に考えた構成であり目的の番組であってほしい。長期的展望にたてば、そうした活動がやがてはメディアの購入へと結びつく可能性を秘めていると思うのだが・・・

近頃のFM放送などを聞くと、日常生活に直に結びつく情報や何の変哲もないお喋りで放送時間の大半を占めている番組が多いように思うが、その昔FM放送は音楽の宝庫であった。音楽掛けっ放しでコメントは少々という番組が多かったのだ。手抜きと言えばそれまでだが、そんな番組が各局ひとつぐらいあっても良いのではと個人的には思う。そうしたペイしない番組を先ほど言った業界が勇気をもってスポンサーになり運営してもらうのである。

わたし自身も音楽を好きになったキッカケはラジオであり、多くの曲と出会えたのもFM放送のお蔭である。城達也氏のナレーションでお馴染みの「ジェットストリーム」や全米ヒットチャートを紹介する番組などジャンルを超えたくさんの音楽番組が存在した。なかでも現在のエフエム東京がかつてFM東海としてFM電波の実験放送を行っていた当時は、クラシック音楽の「宝の山」状態でクラシック音楽を堪能することができた。また、古くは大橋巨泉の「ビートポップス」や小林克也の「ベストヒットUSA」などの音楽番組は、当時のテレビとしては極めてユニークで貴重な存在だった。当時を懐かしみ、そのものを再現するだけでは建設的とは言えないが、最新ヒット曲ではなくオールドファッションな選曲で、一曲一曲を大切に扱っていけば幅広い年代層に愛される長寿番組になると思うのだが。

わたしの絵空事はこれくらいにして、いずれにしても過去の名曲という、わたしたち(人類)の共通の財産を大切にし未来に伝えて行くためにも「知らせる活動」が必要だと思う。
わたしの稚拙なブログの「音楽聴きくらべ」コーナーではスタンダードナンバーに限りなく近い(わたしの主観だが)名曲にスポットライトを当てているが、この新設コーナーでは隠れた名曲(これ又、わたしの主観だが)を積極的に紹介して行きたいと思う。アルバムとしてはそれほど脚光を浴びなかったものの、その収録された十数曲の中に一際輝く「佳曲」が時として埋もれているものである。そうした曲は誰かが紹介しなければ人知れず忘れ去られてしまうであろう。こうした一曲を、わたしなりの感覚で発掘し紹介できればと思っている。「発掘し」と書いたが、実際にはかなり以前からお気に入りで、ずっと心にしたためていた秘密の一曲と言える。俄かに抽出したものでは決してないことをお断りしておこう。


最後に新コーナーのタイトルの経緯について触れておこう。
タイトル「How's everything? COFFEE BREAK」は勿論、大好きな渡辺貞夫のアルバムタイトルを拝借したものだが、日本語なら「調子はどう?」といったところか。ナベサダと言えば「My Dear Life」が代表曲(代表アルバムでもある)であり、一度はそちらの方も考えたが、「My Dear Life」がもつかしこまった感じに違和感を覚えたことと、「My Dear Life」がヒットアルバムであり、あまりにお馴染みなことがこのコーナーの趣旨に相応しくないと考えボツとした。
HOW'S EVERYTHING
Sadao Watanabe
1980年7月の武道館ライブアルバム
「HOW'S EVERYTHING」
この「How's everything? 」の何の変哲もない挨拶フレーズの方が如何にもナベサダの人柄を表現しているようで、わたしとしては好みだった。それに、わたしにとって欠くことはできない「COFFEE BREAK 」をつけ加え「調子はどう? まずはコーヒーでも飲んでから」といった光景が頭に浮かんでくれたら大成功である。

第一回は勿論、このアルバム「How's everything? 」の中の一曲「Boa Noite」を紹介したい。

To be continued


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