ジャケ買い天国: シリーズ第3弾 Santana サンタナ「Caravanserai キャラバンサライ」
<お詫び>
先ずは、このシリーズのタイトル「ジャケ買い〇か✕か」を「ジャケ買い天国」に変更したことをお知らせするとともに、一方的に変更したことをお詫びいたします。
このシリーズをスタートさせて今回が3回目になりますが、この間に記事を書いている際にタイトル「ジャケ買い〇か✕か」に無理があることに気が付き、「ジャケ買い天国」にタイトルを変更した次第です。
現在のように試聴という便利な手段がなかったその昔に、レコードやCDを買うことはリスクを伴った一種のギャンブルだったことは確かです。
しかし、その反面「くじ」を引くようなワクワク感や期待感も楽しみとして同時に味わえたのも事実です。いわゆる「当たりアルバム」を射止めた時の喜びといったら、最初からある程度の内容が分かっていて欲しいと思ったアルバムを手にしたときよりも数倍の喜びがあった筈です。
そんな価値あるものを発見した時の発掘的喜びとそれにまつわるエピソードを紹介するのがこのシリーズ最大の目標でしたから、「外れアルバム」を紹介することは、それ自体に何の意味もないことで本来の趣旨からも外れていることに気付いたのです。さらに当該アルバムに対しても甚だ失礼であり、こうした場で公表することはそのアルバムの名誉のためにも相応しくないと判断したからです。
幸い早い段階で気付いたため、不快な思いをせずホッとしていますが、今後については「ジャケ買い天国」のタイトルのもと「当たりアルバム」を紹介していきたいと思います。
「Caravanserai キャラバンサライ」
Santana サンタナ
今回の「ジャケ買い」アルバムは、サンタナの4枚目のアルバム「Caravanserai キャラバンサライ」です。
実はアルバムジャケットの魅力の点では2作目の「Abraxas 天の守護神」も甲乙つけ難い傑作だと思っているのですが、これは収録曲の「ブラック・マジック・ウーマン」や「君に捧げるサンバ」など事前に欲しいナンバーがあっての購入で、こうしたケースは「ジャケ買い」とは言えないので、こちらの「Caravanserai キャラバンサライ」を選びました。
これまでにセカンド、サードアルバムとサンタナの魅力に取り付かれていた僕は、この4枚目の内容をまったく知らないままに購入しました。それにはサンタナの新譜だからという安心感とこの幻想的なアルバムジャケットの魅力が大きく働いたことは確かです。
当時、僕たちがイメージした中東の世界はアラビアン・ナイトの世界そのもので、現在のような戦闘地域といった負のイメージはほとんどなく(実際には今に至る兆しがあったのだろうが)、このアルバムジャケットのようにおぼろげで未知なる世界というイメージが強かった。そのため、僕にとってのこのアルバムは未知なるものへの憧れとともにインパクトは絶大でした。
アルバムタイトルの「Caravanserai キャラバンサライ」という聞きなれない単語も、調べてみれば「隊商宿、旅館、ホテル」といった宿泊施設のことで大した意味はなかったが、それでも当時は未知なる言葉として「発音の響き」に酔っていたのかも知れない。
1 | Eternal Caravan Of Reincarnation | 4:28 |
2 | Waves Within | 3:53 |
3 | Look Up (To See What's Coming Down) | 2:59 |
4 | Just In Time To See The Sun | 2:19 |
5 | Song Of The Wind | 6:02 |
6 | All The Love Of The Universe | 7:40 |
7 | Future Primitive | 4:12 |
8 | Stone Flower | 6:14 |
9 | La Fuente Del Ritmo | 4:34 |
10 | Every Step Of The Way | 9:05 |
「Caravanserai」1972年 |
iTunes Storeで試聴できます。 |
今回の「ジャケ買い」アルバムは、サンタナの4枚目のアルバム「Caravanserai キャラバンサライ」です。
実はアルバムジャケットの魅力の点では2作目の「Abraxas 天の守護神」も甲乙つけ難い傑作だと思っているのですが、これは収録曲の「ブラック・マジック・ウーマン」や「君に捧げるサンバ」など事前に欲しいナンバーがあっての購入で、こうしたケースは「ジャケ買い」とは言えないので、こちらの「Caravanserai キャラバンサライ」を選びました。
これまでにセカンド、サードアルバムとサンタナの魅力に取り付かれていた僕は、この4枚目の内容をまったく知らないままに購入しました。それにはサンタナの新譜だからという安心感とこの幻想的なアルバムジャケットの魅力が大きく働いたことは確かです。
当時、僕たちがイメージした中東の世界はアラビアン・ナイトの世界そのもので、現在のような戦闘地域といった負のイメージはほとんどなく(実際には今に至る兆しがあったのだろうが)、このアルバムジャケットのようにおぼろげで未知なる世界というイメージが強かった。そのため、僕にとってのこのアルバムは未知なるものへの憧れとともにインパクトは絶大でした。
アルバムタイトルの「Caravanserai キャラバンサライ」という聞きなれない単語も、調べてみれば「隊商宿、旅館、ホテル」といった宿泊施設のことで大した意味はなかったが、それでも当時は未知なる言葉として「発音の響き」に酔っていたのかも知れない。
何れにしても、あらゆる点で「ジャケ買い」を誘う要素がテンコ盛りのアルバムだったのです。
実は、この時点で僕は、サンタナのファーストアルバム「Santana」を持っていなかった。どんなアルバムかという好奇心もさることながら、サンタナのアルバムはすべて揃えたいという気持ちは前々から強かったのだが、このときは新譜の強みと何といってもジャケットの魅力が勝りゲットに至ったのでした。(ハッキリした記憶はないが、ファーストアルバムの購入には、それからまた数年かかったように思う)
この「Caravanserai キャラバンサライ」が出たのが1972年だから、当然LPレコードでの購入だったが、最も印象に残っているのは録音が良く音が素晴らしくクリアだったことだ。特にエレキ楽器とパーカッションの響きが新鮮で心地よく、何度も繰り返し聴いた記憶がある。2曲目の「Waves Within」は特にそう感じさせてくれるナンバーである。
「Abraxas 天の守護神」のようなビックヒットナンバーが収録されたアルバムではないが、このアルバムは収録の10曲がバラバラでなく全体としての統一感があり、アルバム全体で一曲と捉えた方が正解なのかも知れない。
コオロギの鳴き声で始まる1曲目の「Eternal Caravan Of Reincarnation」から圧倒的な最終曲の「Every Step Of The Way」まで全曲で50分ほどのアルバムだが、あっという間に聴き終えてしまう。それほどに内容の濃い爽快なアルバムである。
正直なところサウンドとメロディーからは中東の雰囲気は感じなかったが、それよりももっと大きな宇宙空間をイメージさせてくれるアルバムである。それは、あたかもこれから華々しく拡がろうとするサンタナワールドであり、これ以降のサンタナの輝かしい未来を暗示しているかのようだった。
それにしても、最終曲の「Every Step Of The Way」は聴き応えある9分05秒である。静かに始まるカチカチと刻まれたステップが3分辺りで突如弾け、圧倒的なテンポと、まるで手負いの竜が空中をのたうち回るかの迫力で演奏は突き進んで行く。この曲の3分以降は「Santana Ⅲ」の7曲目にある「Jungle Strut」を彷彿させるハードで躍動感あるテクニカルなナンバーである。
「哀愁のヨーロッパ」のようなスローバラードがサンタナの「泣きのギター」の代名詞に思われているが、こうしたテンポの速いナンバーもサンタナのもう一つの魅力で見過ごすことはできない。
確かに、このころのサンタナにはこうした圧倒的な勢いがあった。
実は、この時点で僕は、サンタナのファーストアルバム「Santana」を持っていなかった。どんなアルバムかという好奇心もさることながら、サンタナのアルバムはすべて揃えたいという気持ちは前々から強かったのだが、このときは新譜の強みと何といってもジャケットの魅力が勝りゲットに至ったのでした。(ハッキリした記憶はないが、ファーストアルバムの購入には、それからまた数年かかったように思う)
この「Caravanserai キャラバンサライ」が出たのが1972年だから、当然LPレコードでの購入だったが、最も印象に残っているのは録音が良く音が素晴らしくクリアだったことだ。特にエレキ楽器とパーカッションの響きが新鮮で心地よく、何度も繰り返し聴いた記憶がある。2曲目の「Waves Within」は特にそう感じさせてくれるナンバーである。
「Abraxas 天の守護神」のようなビックヒットナンバーが収録されたアルバムではないが、このアルバムは収録の10曲がバラバラでなく全体としての統一感があり、アルバム全体で一曲と捉えた方が正解なのかも知れない。
コオロギの鳴き声で始まる1曲目の「Eternal Caravan Of Reincarnation」から圧倒的な最終曲の「Every Step Of The Way」まで全曲で50分ほどのアルバムだが、あっという間に聴き終えてしまう。それほどに内容の濃い爽快なアルバムである。
正直なところサウンドとメロディーからは中東の雰囲気は感じなかったが、それよりももっと大きな宇宙空間をイメージさせてくれるアルバムである。それは、あたかもこれから華々しく拡がろうとするサンタナワールドであり、これ以降のサンタナの輝かしい未来を暗示しているかのようだった。
それにしても、最終曲の「Every Step Of The Way」は聴き応えある9分05秒である。静かに始まるカチカチと刻まれたステップが3分辺りで突如弾け、圧倒的なテンポと、まるで手負いの竜が空中をのたうち回るかの迫力で演奏は突き進んで行く。この曲の3分以降は「Santana Ⅲ」の7曲目にある「Jungle Strut」を彷彿させるハードで躍動感あるテクニカルなナンバーである。
「哀愁のヨーロッパ」のようなスローバラードがサンタナの「泣きのギター」の代名詞に思われているが、こうしたテンポの速いナンバーもサンタナのもう一つの魅力で見過ごすことはできない。
確かに、このころのサンタナにはこうした圧倒的な勢いがあった。
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