名曲紹介、こんな名曲がこのアルバムに・・・ :井上陽水「招待状のないショー」
あれは確か大学2年の時だったと思いますが、それまで経験したことのないような出来事というか現象がわたしの目の前で起きたのでした。それは自身が通う大学近くの行きつけの喫茶店での出来事でした。 当時はスタバのような大型の店舗は少なく、個性豊かな喫茶店が大学周辺に散在していました。そう、ガロの「学生街の喫茶店」に近い雰囲気だったでしょうか。 どの店も会話を邪魔しない程度のボリュームで、有線放送をBGMとして流していました。 そんなある日、その出来事は起こりました。 ランダムに流れる有線放送のBGM。その流れのなかにギターイントロのあと「さびしさのつれづれに・・・」と続く歌詞の曲が店内に流れたのです。 その曲が流れた瞬間、周りの人たちの会話は止まり、もちろん自分たちのおしゃべりも止まりました。 そのとき一瞬、時が止まったように静まりかえったのをわたしは覚えています。 しばらくの沈黙の後、どこからか「これ、だれの曲?」といった囁きがあり、ようやく周りの状況は普段に戻ったのでした。 確かに、あれ程にインパクトがある曲をそれまで聴いたことはなかったので、まさに衝撃的な出来事だったと言えます。 もうお分かりですね、その曲とは井上陽水の「心もよう」です。 Eva Michálková による Pixabay からの画像 これまで、クラシックの曲のなかには、グリーグのピアノ協奏曲、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲そしてチャイコフスキーのピアノ協奏曲、弦楽セレナーデなどドラマチックな出だしの楽曲に衝撃を受けたことは何度かあったものの、ポップス系ではCCRの「I Put a Spell On You」以来の経験だったように思います。 そんな印象深い陽水の「心もよう」ですが、今回お話しするのはこの曲ではありません。 「心もよう」はあまりに有名すぎて、このシリーズでは相応しくありません。 今回ご紹介するのは、1976年にリリースされた井上陽水5枚目のアルバム「招待状のないショー」のタイトルにもなっている2曲目「招待状のないショー」という曲です。 確かに、わたしにとってこの曲は忘れられない曲であり、陽水の中で一番好きな曲です。 一般的に、陽水の話題になったとき、出てくる曲と言えば、前述の「心もよう」であり「傘がない」であり「いっそ セレナーデ」などだと思います。恐らく、「招待状のない...