2011年6月1日水曜日

小林可夢偉、モナコで5位に入賞したが・・・

5月29日のF1モナコグランプリで日本人ドライバーの小林可夢偉が5位に入賞した。
ジャッキー・スチュワート、ジェームス・ハント、ニキ・ラウダの時代からF1レースに関心があった私としては嬉しかった。
これまで、中島悟に始まり何人かの日本人F1ドライバーが挑んだものの、
その市街地サーキットの難しさにことごとく敗れたモノコ。
これまでの記録では、中島悟の息子である中島一貴が2008年にマークした7位が最高位だった。
こうしてみると、過酷な難コース、モナコでの小林可夢偉の5位は確かに立派な記録である。
ただ、素直に喜べないことが放送中にあった。
このレースを放送したのは、F1中継ではお馴染みのフジテレビである。
放送をご覧になった方はお分かりだろうが、
周回数78周のレース終盤、可夢偉は4位という好位置を走行していた。
一台オーバーテイクできれば、3位になれる状況である。
(実際には3位バトンと4位可夢偉との間には周回遅れのマシンが何台かいて残り周回数から考えると3位ステップアップは不可能)
この場面で、不可能な状況とは云え、誰もが可夢偉の初表彰台に期待しただろう。
そんな終盤の放送の中で、考えられないような解説者(?)のコメントとアナウスがあったのだ。
それはフジテレビらしいと云えばそれまでだが、放送としては相応しくない、
品位を疑われるような、なんとも恥ずかしいコメントだったのだ。
それは以下のような内容だった。
放送は、その時点で4位だったスーティルを5位可夢偉が抜いて4位に浮上したときだった、
解説者(?)のコメント
「(上位3台に対し)この3台に何かあったらと思ってしまう・・・」
アナウサーのコメント
「小林可夢偉、この3台に何かあったら表彰台!」
公平な立場で言えば、確かに解説者(?)の上記コメントの前に「こんなことは言ってはいけないのだが・・・」
といった内容の断りの文言はあったが、それにしても解説者としては言ってはならない内容だと思う。
解説者の名前は控えるが、自らもレースドライバー経験があり、監督もやっている立場なのだから、
レース中におけるクラッシュ等のアクシデントを期待するようなコメントは絶対避けるべきである(胸の内で叫ぶのは止むを得ないこととしても)
日本人レーサー、選手を応援するのは当然のことである。
だが、昨今のスポーツ番組を見ていると、そうした傾向が異常であることに驚く。
私たち視聴者は、日本人選手を応援するだけでなく、世界の一流選手のプレーや試合内容を観たいのである。
スポーツニュースでも、注目の人気日本人選手(どんなに下位でも)の映像は流れても、
その時点のトップの選手が誰なのかも告げないようなニュースすらある。
天下のNHKでさえそうした傾向にあるのは嘆かわしい。
かつて、フジテレビのK1グランプリという格闘技番組で、
日本人選手の「武蔵」を異常な程ヒイキにしていたことがあった。
世界チャンピオンにしたかったのだろうが、周囲が如何にバックアップしても、
本人の実力が遠く及ばず、主催者側の夢は儚く敗れたということがあった。
このように、勝敗にまで放送局が関わっているかのような、疑いを抱かせる放送内容は特別だが、
放送局は、放送に対する姿勢を今一度見直していただきたい。
放送された内容に対する影響は想像以上に大きいのだから。
話をF1放送の件に戻すが、
解説者は本来、レース解説に重点を置き、その中で視聴者に馴染みがないマイナードライバーの紹介や、
難しいメカに関する説明をしてほしい。
型にはまった番組構成を強制はしないが、
アナウサー、解説者共々、日本人レーサーの応援に終始し自ら興奮しているようでは、われわれ視聴者と同レベルではないか。
そんなミーハー解説者は必要ない。
今回のF1モナコグランプリは、常勝S・ベッテルの勝利に終わったが、
終盤のデッドヒート、バトルには久々に興奮した。
そんな状況下での小林可夢偉の5位はまさにミラクルであり立派だったと思う。
それに水を差したのは放送関係者一同の軽率なコメントだった。
小林可夢偉本人に対しても失礼であり、
視聴者である我々にとっても不愉快で、後味の悪いエンディングとなった。
小林可夢偉の素晴らしいレースだった故に、残念でならない。

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